「明眸皓歯」という言葉があります。ぱっちりとした明るい瞳「明眸」と、真っ白に輝く歯「皓歯」という意味で、中国の詩人杜甫が、絶世の美人楊貴妃のことを表現した言葉です。
このように、昔から白い歯は人々のあこがれであり、美しさの大切な要素でした。審美歯科とは、「悪くなった部分を治す」ことに加えて、様々な技法を使って「より美しく、より自然に、より健康的な口元を創り出すこと」をいいます。
日頃気になっている歯の色や形、金属の目立つ部分など、「ここが変われば思いっきり笑えるのに…。」と思っている所を改善して、本来の笑顔を取り戻しましょう。
基本的に歯の着色(変色)の原因については、大きく4つに分けられます。それは歯の表面の着色、細菌系付着物、歯の内部構造の着色、虫歯や詰め物、被せ物の変色です。
タバコのヤニや茶渋、コーヒー等食物系の色素が、歯の表面に付着したものです。
プロフェッショナルクリーニングを行い色素を除去することで、元の色を取り戻すことができます。しかしながら、表面の着色の中には簡単に除去できないものがあります。「マイクロクラック」と呼ばれる歯の表面にできた微細なひび割れに、色素が入り込んだものです。
これの解決方法は、クリーニングだけではなく、ホワイトニングや充填など他の積極的な方法を取り入れる必要があります。
細菌の集合体であるプラークや歯石により生じるものです。
特に歯周ポケットの中で歯肉に炎症を起こし、出血の原因になっている歯石は、歯肉を黒く変色させます。これは歯科医院でスケーリング(歯石除去)をしてもらうと、すぐに除去することができます。
象牙質が元々色が濃かったり、加齢により黄ばんだために歯の色が濃くみえるものは、ホワイトニングにより改善します。また、テトラサイクリンという抗生物質を8才までの歯の形成時期に服用した場合にも特有の変色を示します。
テトラサイクリンによる歯の変色は、歯の変色の程度により4つに分類されますが、第1度から第2度まではホワイトニングで改善しますが、第3度では繰り返し根気よくホワイトニングを繰り返すことで効果が出ます。第4ではホワイトニングにより目立たなくなる程度のため、ラミネートベニア法にて治療、もしくはホワイトニングとの併用を選択します。
第1度- 淡い黄色、褐色、灰色で全体が一様に着色、縞模様のないもの
第2度- 第1度より色の濃いもの
第3度- 濃い灰色、青みがかった灰色で、縞模様のあるもの
第4度- 着色が強く、縞模様の著名なもの
また、歯髄(神経)を取った後の変色に関しては、歯の内部にホワイトニング剤を使用したり、差し歯にて治療します。
さらに「歯を白くする歯磨き剤」の中には、強度の研磨剤を含み、エナメル質を削り取り、内部の象牙質の色が透過しやすくなり、逆に歯の色が濃くなってしまう場合もあります。硬い研磨剤により、タバコのヤニなどを落として歯を白くみせる目的らしいのですが、さらに歯を削ってしまうため、この様なことが起きるのです。
虫歯治療や詰め物、被せ物の交換をします。アマルガムという合金による詰め物を行っている場合には、詰め物の下の歯にも金属イオンが染みこんでいるため、着色を取り除くためには、着色した部分の削除が必要で(虫歯ではないので削除しなくても治療は出来ます)、ホワイトニングの効果はありません。
歯の表面に付着した色素成分を落として、その人本来の歯の色を取り戻していただく方法で、具体的にはPMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)というプロによる歯の表面の清掃をいいます。
着色を落とし色素の再付着を抑えるために、歯の表面を研磨しますが、歯を削る治療ではありません。
また、ステインというタバコのヤニや茶渋などを落とすもので、歯本来の色が濃い色の場合にはホワイトニングを行わなければ「白い歯」にはなりません。
PMTCを行うことにより、歯の着色が取れるだけではなく、歯の表面がツルツルになり、お口の中がスッキリリフレッシュします。
汚れが付着しにくくなるため、歯周病予防にも効果があります。
ホワイトニングとは歯を削ることなく、ホワイトニング剤を使用して歯そのものの色を白くしていく方法です。
歯科医の指導のもと、ご家庭で行う「ホームホワイトニング」と歯科医院で行う「オフィスホワイトニング」、両方を組み合わせた「デュアルホワイトニング」があります。
基本的にホワイトニングの原理は共通で、ホワイトニング剤の中に含まれる過酸化水素(H2O2)が活性化され、歯の中の有機質中の色素を分解して無色化するものです。ですから、ホワイトニングにより歯は「白くなる」というよりも「明るくなる」というほうが正確です。
ホワイトニングの前に
ホワイトニングを開始する前に以下のことはできるだけ済ませておきましょう。
10%の過酸化尿素入りのホワイトニングジェルを使用し、ご家庭でゆっくりとホワイトニングを行う方法です。低濃度の薬剤により、ゆっくりと反応させることにより、歯の透明感が失われず白くすることが出来るのが特徴です。
歯型をとってカスタムトレーというマウスピースを作り、ご家庭でこの中にホワイトニングジェルを入れ、2~8時間装着します。
個人個人の生活リズムに合わせて進めることが出来るのも、この方法のメリットで、回数を重ねるたびに歯は白くなっていきます。
歯科医院で行うホワイトニングで、歯1本1本にホワイトニング剤を塗って行います。ホームホワイトニングより早く白くなりますが、一般的には30~35%という高濃度の過酸化水素を使用するため、表面のエナメル質がスリガラス状になり、歯の透明感が悪くなったり、後戻り(歯の色が少し元に戻ること)が起きやすい欠点がありました。
しかし、現在は過酸化水素が3.5%と低濃度ながら、二酸化チタンと光触媒の相乗作用によってホワイトニングを行うことが可能になりました。
低濃度過酸化水素の使用により、エナメル質も傷つけず後戻りも少なくなりました。
ホワイトニング先進国といわれるアメリカでは「ハリウッドスマイル」といって、陶器のように白い歯が魅力的と考えられているそうですが、日本人の場合は透明感のある自然な白さが好まれます。
| 1. 歯面清掃 | 2. 歯肉の保護 | 3. ホワイトニング剤の塗布 | 4. 光照射 |
|---|---|---|---|
歯の表面を機械で清掃します |
ホワイトニング剤が歯肉に当たらない様に、保護します |
ホワイトニング剤を塗布します |
特殊な光を当ててホワイトニング反応を促進します |
過去に虫歯の治療で入っている詰め物や被せ物が変色したり、金属色が目立つ場合や、新たに治療を行う場合などにセラミックを使用することで高い審美的要求に応えることが可能になります。また、被せ物で治療する場合には、歯のねじれや方向を修正することで同時に歯並びを整えることも出来る治療方法です。
セラミックの被せ物はオールセラミックとメタルボンドという2つのタイプがあります。どちらも色調の表現力が非常に高く、装着後の色調変化がないことから審美的な被せ物としては理想に近いといえます。2つの主な違いは、コーピングと呼ばれる被せ物の内面の部分を、オールセラミックはセラミックで、メタルボンドは金属(金合金)で作っているという点です。
被せ物と歯との境目は歯周ポケット内部に設定していきますが、一般的なメタルボンドの場合、歯肉の薄い患者さんにおいては、コーピングの金属が歯肉を透過して黒ずんで見える場合があります。
この場合の解決法として、カラーレスといって被せ物と歯の境目をセラミックで作ることで、金属色の影響をなくします。オールセラミックは元々金属を使っていないため、この様な心配はありません。
左右の写真共、中央の2本をセラミックの被せ物で治療した例です。周囲の歯とよく調和しています。
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また、ハイブリッドセラミックという素材もあり、これは80~90%のセラミックを高分子材料によって結合させたものです。単独の被せ物や短いブリッジなどは金属を使わずに出来、上記のセラミックと比べると多少安価であるという利点を持っています。その反面、若干表面の艶が弱く、色調再現性も多少劣りますが、素材自体の硬さがエナメル質と最も近似しているため、噛み合わせの歯にやさしいという特徴があります。
歯髄(神経)をとった後の歯は、歯の強度が弱くなり、このままだと歯が割れやすい状態になります。このため多くの場合「支台築造」という土台作りをしたうえで、被せ物を行います。
この支台築造は、歯を補強し、根と被せ物を繋ぐ重要な役割を担っています。当院では自費診療における支台築造の全てを「ファイバーポストレジンコア」で行っています。これは、支台築造体の本体をコンポジットレジンで作り、芯にグラスファイバーを用いたものです。
審美面でのメリットは、支台築造にコンポジットレジンという歯の色をした素材を使うことで、(金属による支台築造と比べて)内部からの金属色の透過を完全になくすことが出来る点です。
さらに、曲げ強度が弱いというコンポジットレジンの弱点を、芯にグラスファイバーを用いることで補い、完全なメタルフリー化(金属を全く使用しないこと)を可能としました。金属アレルギーの方も安心してお使いいただけます。
コンポジットレジンによる支台築造のメリットは、これだけではありません。
以前は、支台築造を金属で行うことが最良とされていました。しかし現在では、築造体の弾性率(その材料の硬さやしなりやすさを示す数値)が象牙質に近いほど、歯に力がかかったときの応力が根の一部に集中することなく分散され、根の破折(根が割れること)を防止できることがわかってきました。
弾性率の比較の表を見ていただくと、コンポジットレジンの弾性率が象牙質が非常に近似していることがわかると思います。なお、表内のレジンセメントとは当院でレジンコアの接着に使用している接着剤(パナビアフルオロセメント)の例です。
加えて、(接着剤の進歩により)象牙質と強固に一体化し、歯髄をとった後の強度の低下した歯を長期に破折から守ることが出来るようになりました。
*ファイバーポストレジンコアは、ファイバーコアと呼ばれることもあり、同じ物です。
審美歯科の分野で入れ歯を考えるとき、一番問題となるのは、クラスプと呼ばれる金属のバネです。
健康保険適用の部分入れ歯では必ず必要となるものですが、前歯にかかるクラスプは、入れ歯を入れていることを明らかに示してしまい、見た目には良い物とは言えません。このクラスプをなくすことで、すっきりとして自然な口元を得ることが出来ます。
ではどうやってクラスプの役割を、他の仕組みを使って審美面との両立を図っていくか、詳しくは入れ歯をご覧下さい。
| ハイブリットセラミックス
*虫歯の範囲、歯面数によって異なります。 |
31,500~52,500円 |
|---|
| ハイブリットセラミックス
*ブリッジ等で内部にグラスファイバーや金属の枠組の作製が必要な場合は、プラス10,500円になります |
63,000円 |
|---|---|
| メタルボンドセラミックス | 94,500円 |
| オールセラミックス | 126,000円 |
| ファイバーポストレジンコア | 9,450~10,500円 |
|---|
| ポーセレンラミネートベニア | 89,250円 |
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| ホームホワイトニング(上下別)
*ホワイトニングシリンジ4本、カスタムトレーを含んでいます。 |
26,250円 |
|---|
*貴金属による治療料金は、歯の仕組みと虫歯の部をご覧ください。
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