体の病気と歯の治療

体の病気と歯の治療

糖尿病

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糖尿病とは、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが減少、または分泌されなくなることにより血糖値(血液の中の糖分の値)が上昇し、この状態が長く続くことにより網膜症、神経障害、腎症、動脈硬化などを合併症として引き起こす病気です。

糖尿病になって高血糖状態が続くと、歯周組織内の毛細血管では、白血球機能の低下やコラーゲン破壊機能の促進、およびコラーゲン合成阻害が起き、血管壁も変性を起こします。また、高血糖の状態では、歯肉内の血管から糖分が浸みだし、虫歯菌や歯周病菌に養分を与えてしまうことになります。このため、糖尿病のコントロールが良くない場合は、虫歯が発生しやすくなり歯周病がどんどん悪化しやすいのです。このことは、歯周病だけではなく体全体に細菌感染をおこしやすくなり注意が必要です。コントロール状態の目安としてHbA1C(血糖値の平均値を表す数値)7.0%以下を目指しましょう。

また、血糖降下剤の服用やインスリン注射を行っている方は、歯科治療時の低血糖にも注意して異常を感じたら我慢せずスタッフにお声掛けをしてください。

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骨粗しょう症

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骨粗しょう症とは、骨の密度や質の低下により、骨折を起こしやすくなった状態です。

骨粗しょう症が直接歯科の治療に影響を及ぼすものではありませんが、この病気の治療によく使用されるビスフォスフォネート製剤(BP製剤)と呼ばれる薬を服用している方が、抜歯や歯周外科手術などの骨に関与する歯科治療を行った場合に難治性の顎骨壊死を起こす(BRONJ)という報告があり注意が必要です。このため、BP製剤を使用これから使用する方は、服用に先立って歯科治療を終了させておくことが望ましいと思われます。また、口腔内を清潔に保つことが骨壊死の発症予防になることも確認されており、ブラッシングにも気を付けましょう。
BP製剤を使用中に抜歯等の治療が必要になった場合は、医科と歯科の主治医が密に連絡をとり、対応を検討する必要があります。特に注射用のBP製剤を使用している方はBRONJの発症の可能性が高いので注意が必要です。

この他、BRONJの発症リスクを高めるものとしては、糖尿病・ステロイド剤の使用・喫煙・飲酒などが考えられています。

現在使用されているBP製剤は、以下のものがあります。

ゾメタ、テイロック、フォサマック、ボナロン、アクトネル、ベネット、アレディア、ビスフォナール、ボノテオ、リカルボン、ダオドロネル

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金属アレルギー

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金属製品は私たちの周りにはありとあらゆるところに存在し、私たちの生活を便利にし、支えてくれています。私たち歯科医療従事者も虫歯治療や入れ歯など金属を利用することで治療に役立てています。
しかしながら、患者さんが金属アレルギーに気が付く場合のほとんどは、アクセサリーなどが接触したところがかぶれたり赤くなったりといった皮膚症状ですが、この影響は全身にもおよび掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)、偽アトピー性皮膚炎、顔面湿疹等があります。金属アレルギーは原因となる金属に接触してすぐに症状が出るものではなく、また原因を除去してもすぐに症状が消失するものではありません。

以下に治療の流れを説明します。

1.検査

歯科だけではなく皮膚科、内科医師と連携し金属アレルギーの検査を行います。主に検査はパッチテスト(薄めた金属の試薬をシールに貼り付けアレルギー反応を調べる)という検査を行い原因となる金属を特定します。現在この検査は開業医で行われることは少ないようで、当院では昭和大学病院皮膚科をご紹介しています。

2.治療

金属アレルギーの原因となっている金属を除去します。まずは、アクセサリーや時計などアレルギーの原因金属を含むものを体に触れないようにします。身の回りの金属類はほとんどが単一金属ではなく合金です。金属の成分がわかれば使用して構わない金属もあります。
その次は、口腔内からの原因金属の除去です。金属を除去してセラミックやレジン、又は(アレルギーのない)安全な金属に置き換えます。最後にメディカルデトックスという体から金属を排泄する治療を行います。接している金属を除去しても体の中に取り込まれた金属は、容易には排出されずアレルギー症状がなかなか改善されません。このためEDTAという薬品を点滴し金属と結合させ、有害金属の排出を促します。

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妊娠

妊娠は、病気ではありませんが、歯科治療にとって注意が必要で説明させていただきます。

妊娠中の歯科的特徴

妊娠中は、ホルモンバランスの変化(女性ホルモンを栄養とする歯周病菌の増加)、つわりによる口腔清掃不良、唾液pHの低下などにより妊娠性歯周炎や妊娠性エプーリス、虫歯のリスクの上昇がみられます。(赤ちゃんにカルシウムを取られて虫歯や歯周病になることはありません)
できる範囲でブラッシングに気を付け、適切な時期に歯科医院を受診し歯石の除去やPMTCをうけましょう。また、妊婦さんが歯周病に罹患していると炎症と戦う生理的物質が子宮の収縮を促進し、早産のリスクが高まるとの報告もあり注意が必要です。

歯科治療の時期

出来れば歯科治療は妊娠前に終了させておきたい所ですが、妊娠中期(5~7週)であれば治療は可能です。初期や後期の治療はなるべく避け、応急処置にとどめましょう。

エックス線撮影

歯科エックス線撮影では防護エプロン等で腹部は遮蔽されているため、胎児への被ばくはほとんどありませんが、妊婦さんの精神的不安も考慮してできる限り撮影を控えます。

飲み薬

胎児の健康は、母体の健康と密接な関係にあります。ですから、感染症等を放置することは病気の進行を招くだけではなく抗サイトカイン血症などを起こし早産・流産の原因になることもあるため、適切な服用を心がけましょう。お薬の服用は、お薬を飲まないデメリットを飲むことのメリットが上回る場合に行います。

お薬の安全性について

抗菌薬(抗生物質):ペニシリン系(サワシリン、ビクシリン、バセトシン等)、セフェム系(トミロン、フロモック ス、バナン、メイアクト等)マクロライド系(ジスロマック等)などは、危険性が少ないと考えられています。

解熱鎮痛薬:アセトアミノフェン(カロナール)が第一選択

局所麻酔薬:適量の使用では、流産・早産・奇形などの可能性は、小さいと考えられています。

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高血圧

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WHOの分類では、収縮期血圧が140mmHg以上、拡張期血圧が90mmHg以上の状態をいいます。歯科治療では様々なストレスにより血圧が上昇する場合がありますが、収縮期血圧が180mmHg以上、拡張期血圧が110mmHg以上の場合は基本的に歯科治療ができません。日頃より内科的にお薬を服用し、食事にも気を付け血圧をコントロールすることが大切です。
また、高血圧症の方が歯科治療を受ける場合に問題となるのが麻酔と抜歯です。麻酔薬の中には血管収縮剤が含まれており、麻酔注射によりわずかですが血圧が上昇します。また、血圧が高いと出血する圧力も高いため、抜歯の後出血が止まりにくくなったり、出血量が多くなることがあります。ただし、処方された薬で血圧がコントロールされている場合は心配ありません。

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